――恒例スコーキー文化フェステバル 5月――
 私たちの町の南にスコーキーという町があります。
昔は住民全員がユダヤ人だったそうですが、今では3分の1がユダヤ人で残りはいろいろな外国から来た移民が住みついています。
町角ごとにユダヤ教の教会があり、レストランはギリシャ風、トルコ風、とさまざまです。
シカゴの町の北の方に韓国人が密集して住んでいる場所があり、道路の名前まで「ソウル通り」と名づけてしまったぐらいです。
それとくらべると、スコーキーはヨーロッパからの移民が多いのが特徴です。
いろいろな民族、人種で出来ているから、いっしょに集まって自分たちの文化をくらべたら面白いじゃないか、ということで、毎年集まってこの催しをしているらしい。
29カ国の人々が集まって、自分の国、人種の「喉自慢」ならぬ「文化自慢」というべき出し物をするのです。
もし、日本人に、世界の国の名前をいくつ知っているか、というテストをしたら、いくつぐらい答えられるだろうか。
30ぐらい言えたらいい方ではないかと思う。
だからこのフェステバルには29カ国も出し物をだすのだから、世界の国から集まってきているといっていいくらいです。
このフェステバルのモットーも “Many culture, One world”となっています。

各国のブースやテントが立ち、食べ物や民芸品を売ったりしています。
中央で音楽、踊り、出し物を披露するのです。
私が見ているときは、アルメニアの踊りがありました。
アルメニアの若者たちが民族衣装を着て、ダンスをしました。
何種類ものダンスを見せてくれました。
聴衆の中のおじいさん、おばあさんは故国への郷愁に駆られてうっとりと見ています。
その顔を見ていると、アメリカへ移民して来て、苦労したのだな、察せられます。
帰れない故国を思い出して、胸が迫るのでしょう。
それを慰めるように男女の若者が民族衣装を着て、ダンスをするのです。
文化の継承がちゃんとされているので、感心してしまいます。
 日本人はアルメニアと聞いてもどこにあるのか分からない人が大部分でしょう。
でもアメリカにいるとヨーロッパの国から来た人は、アジアから来た人ほどアメリカに対して違和感を持たないのではないでしょうか。
アメリカの地図を見ると、左半分にアメリカ、真ん中に大西洋、右にヨーロッパがあるのです。大西洋、ヨーロッパを通りすぎて右端へ進むと、地図の右はしっこに日本があるのです。
文字通り「極東」です。
アルメニアの方がヨーロッパに心理的に近いのです。
アルメニアのダンスをみても、音楽を聴いても、ヨーロッパ的なのです。
文字も英語に近いですから、親近感があります。
シカゴから見ると、祖先はヨーロッパ、だからアルメニアは遠い親戚ぐらいに感じられます。
それに比べると、日本、中国、韓国は異なった人種、文化という印象がつよいのです。
 私は世界中を旅行したいのですが、実際にはお金も時間もないので行けません。
ですから、遠くに行かなくても、近くのスコーキーの町で、いながらにして30近い国の人々に顔を合わせて会えるのですから、うれしいかぎりです。
いっしょに行った主人が、そんなことで喜んでいるのは、あなただけだよ、普通の日本人は白人志向、英語オンリーでヨーロッパの小さな国など眼中にないよ、と軽く言われてしまいました。
 写真を見てどの国か分かりますか。
日本語を勉強している学生も日本紹介に参加してくれました。
彼らは、とても楽しかったので来年もボランテァをするそうです。
日本人の皆様ぜひいらしてください。